様式ではなく精神を継ぐ為のProject
懐かしい未来
百年後の誰かの、「百年前」をつくる。
百年前、世界はひとつの美意識で呼吸していた。
パリの装飾。ヴァイマールの理性。マンハッタンの垂直。そして、東京の大正モダン。
海に隔てられ、言葉も通じなかったはずの街が、申し合わせたわけでもないのに、同じ手つきで線を引いていた。同じ角度で、光を切り取っていた。産業が生んだ冷たい直線と、職人の指が残した温かい曲面。合理と官能。それらがまだ敵同士ではなく、一枚の図面の上で平然と肩を並べていた——短く、濃く、二度と来ない時代。
あの空間が、いまなお動かしがたく美しいのは、装飾的だからではない。
時代の最先端と、手の記憶が、同時に入っていたからだ。
新しさに酔わず、古さに逃げず、ただ「いま」を正面から設計した。百年を越えるのは、意匠ではない。その覚悟だ。
だから、RKはあの様式を写さない。あの時代の考え、
文化がある意志を引き継ぐ。
流行の速度に歩調を合わせない。素材は、時間に削られる方ではなく、時間に育てられる方を選ぶ。線は、説明のためではなく、佇まいのために引く。図面の向こうに見ているのは、竣工の朝ではない。三十年後の、夕方の光だ。
懐かしさを、つくっているのではない。
同時代性を、百年単位で設計しているのだから。
百年前の誰かが引いた一本の線に、いまの私たちが、息を呑んでいる。
ならば——いま私たちが引く一本の線で、百年後の誰かの手を止めたい。
1925⇄2125
RK PROJECT
Design that outlives its era.