



スマートフォンの普及と、SNSの浸透によりサーチ、アクション、シェアという流れが定着し、コミュニケーションは大きく変容しました。この流れは、企業からの一方通行の情報発信(広告など)では、顧客を惹きつけることが難しくなった反面、企業が消費者と直接コミュニケーションをとることが容易になったことを意味しています。そこで、企業のマーケティング活動においてブランドと消費者の関係性を本格的に見直す必要性が生じる中、顧客を主人公とする「ナラティブ」という考えが注目を浴び始めました。このように昨今の高度に結びついたソーシャルな世界で重要なのは、もはや「何を伝えるのか」でも「どうコミュニケーションをとるのか」でもありません。重要なのは「顧客が何を聞き、何を言っているか」なのです。SNSをはじめ、デジタルプラットフォーム上のコミュニケーションは、個人が放送局になり、情報の民主化によりソーシャルメディアのアカウントを持つ誰もが、さまざまなプラットフォームでブランドに関するコンテンツを作成できるようになりました。そうなると、もはやブランドサイドか意図する世界観をコントロールすることは容易ではありません。それは逆説的に言えばブランドはブランド自身で管理することしかできない時代になったのです。
そしてコロナ禍期間に、対面でのコミュニケーションに規制がかかり、消費者の共感や信頼を獲得しやすい手法としてSNSの活用が促進されると同時に、ナラティブの活用が加速したといえます。
またSDGsやESGsなどの社会課題への注目が広がる中、企業に限らず個人においても「社会貢献」や「社会的価値」に意識を向ける人が増加しています。「社会において自身ができることはなにか」を模索する上で、自身を物語の主役として考えるナラティブの重要性が高まってきているのです。
このように企業と個人が共創して持続的社会を実現し、一緒に社会を作る共創関係が理想的と言えます。